2.5じげん

漫画 小説 映画 オタク

実写版 銀魂の感想とすごいところ

 

「実写版 銀魂」観てきたから感想書くよ~!

 

 

正直に言って、かなり心のハードルを下げて行ったので、反動で評価が高くなっている面もある。でも、とても面白かったよ~!

コメディパートは開始からずっと笑っていたし、面白いだけではなく登場人物たちは皆かっこよく、可愛かった。

「なんでもあり」で「サブカル的」、でも、どこか一本筋が通った、「銀魂」らしい実写映画化だなと感じたよ。

 

ではここからは、実写版銀魂の「アニメに寄せているところがすごい」「取捨選択がすごい」「キャストがすごい」という3つのすごいについて語りたいと思います!

 

原作とは若干、でも個人的には重要な変更箇所があって、そこに触れているので、ネタバレしたくない方は読まないほうがいいよ!

 

ではどうぞ!

 

 

1.アニメに寄せているところがすごい

後ろの席の人が見終わった後、開口一番「アニメ版紅桜編が観たくなった」とつぶやきました。その気持ちとてもわかります。そう、この実写版銀魂「アニメ版銀魂」にかなり寄せているのです。

そしてそれこそが実写版を違和感なく見ることができた、最大の要因ではないかと思いました。

 

俳優さんたちの演技や、台詞回しや、表情の作り方、そしてなんならカメラ割までもが、アニメ版を見て研究したのだろうなという感じだったし、冒頭のカウントダウンTVのところとか、松陽先生の声優さんがアニメ版と同じ山寺さんなのとか、おぉって思いましたよ。

そしてこれは他の人々の感想でも多く見られたのだけど、実写版銀魂の俳優さんたちは、ビジュアルもさることながら「声」がすごくいいんです!

メインキャストの小栗さんも岡田さんも堂本剛さんも「声」が素晴らしく、実写版にありがちな「なんか違う」感じがしなかったし、アニメ版銀魂の豪華な声優さん達にも引けをとらない美声っぷりでした。実はマンガの実写化において「声」ってとても大事なのだなと気づかされました。

 

2.取捨選択がすごい

予算面、展開面、キャラクター面における、取捨選択の潔さがすごいと思いました。

 

まずは予算面ですが、全編にわたって、「あぁ、予算足りなかったんだな…」って場面が多々ありまして、それによる取捨選択がとてもいさぎよくて良かったです。天人の着ぐるみ感とか、ブルーバック感とか…。

そして展開面。いさぎよく出会い編をすっとばし、キャラクターのバックグラウンドをナレーションで説明。まるでコナン映画のオープニングさながらの、「原作読んでないやつは来ないだろ!」と言わんばかりの潔さに、素直に感動しました。メインキャラクターの出会いを無理やり前半30分に詰め込んで尺が変な感じになるのって実写映画化あるあるだと思うのですが、これくらい潔くカットしちゃってもいいと思いましたね。まぁ銀魂という絶対原作読んでない人は観ないだろって映画だからこそできる技だとも思いますが…。

 

そしてキャラクター面。

マンガの実写映画化するにあたっては、長い原作を2時間の映画にまとめる以上、必ず主要キャラクターの中で「原作通りであることを諦めないといけないキャラクター」が出てくるものだと思います。そしてどのキャラクターを原作に忠実に再現するか、どのキャラクターを原作通りにすることを諦めて狂言回しにするかという取捨選択の部分で、私はその映画の良しあしとか、好き嫌いが変わってくると思っています。そして、私は個人的には実写版銀魂の取捨選択が好きでした。

 

実写版銀魂で、原作通りであることを諦めた一番主要なキャラクターは土方と近藤でしたね。土方って1,2を争う人気キャラクターなのですが、割と明確に話の筋から切られていました。ところがですね、沖田はとてもキャラクターの造形が忠実だったのです。そして土方と近藤はほぼメインの話に絡んでいないけれど、沖田は見せ場があった。おそらく沖田のほうを空気にして、もっと土方に見せ場を与えることもできたと思うんです。監督は土方と近藤を諦めて、沖田を選んだわけです。そこが私は好きでした。まぁぶっちゃけ自分が沖田が好きだからというのも大きな理由なのですが、私は以前も書いたけど、銀魂って「少年漫画」だと思っているので、銀八、神楽、沖田という「少年少女組」はきちんとスポットが当たるべきだと思っているのです。

 

haru-michi2.hatenablog.com

 

3.キャストがすごい

まず小栗旬さんは本当に素敵でした。原作へのリスペクトを感じました。

そして予想を超えてよかったのは女性陣です。正直原作でもあまりイメージがついていなかったのですが、ななおちゃんのまた子と長澤まさみさんのお妙さんを見て、なるほどまた子ってこういう子なのか、かわいいじゃん…と思ったり、お妙さんってこういう感じなのか、これは怖いわwという新たな発見がありました。

 

そして堂本剛さん。私の世代にとって、堂本剛さんとは圧倒的カリスマなのです。いくら時代が過ぎようとも、彼の輝きは永遠に記憶に残り続けているのです。

そしてそんなカリスマが、カリスマ高杉晋助をやるということは、かなりの事件なんです。

正直どんな感じになるのか想像もつかなかったのですが、正直、観終わった後もよくわかりませんでした。ただ、前述したとおり本当に「美声だな」と感じました。関西弁でゆっくりしゃべる姿しか最近見かけていなかったので、第一声の「ぎんとき」の声で、本当に「こんな声だったっけ?!」とびっくりしました。これはジブリ声優のオファー来てしまうやろ!

で、この「堂本高杉」は明らかにこの映画において特別扱いされておりまして、さきほど「原作通りであることを諦めないといけないキャラクター」について書いたけれど、この「堂本高杉」も少し原作の高杉とは違っていたように感じました。ラスト、最後までアニメに全力で寄せていたこの実写版銀魂ですが、アニメ屈指の名シーンである「銀時と桂の共闘」を敢えて捨てて、「銀時と高杉の戦い」が行われるんですよね。

このアニメにおいて一番人気があるシーンを敢えてやらないのが、潔くていいなと思いました。どうしてもアニメと比べてしまうだろうし、話の収まりもきれいだったように思います。

 

 

 

そんなこんなで実写版銀魂のすごいところを書いていきました。

いろいろ書きましたが、銀魂みたいなファンタジー色の強いマンガが実写化されて面白いなんて、本当に、単純に、すごいことだなと思います。

原作ファンで観るかためらっている方には、個人的にはぜひおすすめしたいです。