ET 20th anniversary とトトロ
大人になったら見方が変わる映画ってたくさんあると思うのだけど、やっぱりその中でも「ET」と「となりのトトロ」は格別だと思うんだ。
ETも、トトロも、自分がエリオットやメイ位の歳の頃から見始めて、今28歳、一体何回この映画を見たのだろうか?見るたびに、感動のポイントや感情移入する対象が変わって、自分の成長をよくも悪くも気付かせてくれる。もう映画の中の両親の年に近づく今見ると、親がトトロを見る度「かわいそう」とつぶやいていたのを思い出す。子供の頃は何言っているんだと思っていたけれど、最近はよくわかる。
この映画、子供達がとてもかわいそうなのだ。トトロもETも結局は片親の不在が物語の引き金になっている。
大人になってからみると、トトロが現実にいるとは思えなくなってくる。サツキもメイも、母のいない寂しさ故にトトロという幻想が見えるようになってしまったんだな…と思う。
そして今回ETの20th anniversary editionを見たのだが、昔は赤ん坊や、犬のような存在として見ていたが、改めてみるとETの態度は老人のようだし、かなり知性が高い存在として設定されていることに気付かされた。ETエリオットや兄妹達を観察し、子供であることに始めから気付き、取り巻く状況(母が不安定になっていること、父親がいないこと)も、おそらく理解している。そういう撮り方をしていたことに今更気付かされた。
サツキ、メイ、エリオットに足りないのは「親戚のおじさん」だ。利害に関係なく、ただ甘やかして一緒に遊んでくれるおじさん。その存在がトトロでありETなのだと思う。
「トトロとは結局妄想なのか」と思うことがあるなんて、子供の頃は想像もしていなかった、サツキやメイをかわいそうだと思ってしまった時点で、私にはもう永久にトトロは見えないだろう。でも子供の頃、サツキやメイがうらやましかったし、いつか自分もトトロと出会えると確信していた気持ちは忘れたくはないと思う。
はじめに
はじめに
このblogを書き出すにあたり、きっかけは2つある。
自分のための覚え書きとして、綴っておきたい。
1つは2014年の2月20日の金曜ロードSHOWで「風立ちぬ」を観賞したこと。
もう1つはNHK 「SWITCHインタビュー達人達 松井優征X佐藤オオキ」と観賞したこと。
「風立ちぬ」の観賞は2回目。
1回目の観賞の後、有名な岡田斗司夫さんの批評を見て、2回目を見る事を楽しみにしていた。なるほど自らの欲望をためらうことなくさらす芸術家の覚悟をみたが、それ以上に今回の観賞でやけに心に残った言葉は、劇中で何度も繰り返される、「まだ、風が吹いているか?」という言葉だった。
なぜ、この言葉がやけに心にひっかかったのか。
その後「SWITCHインタビュー達人達 松井優征X佐藤オオキ」を観賞。松井優征さんは「暗殺教室」の作者の漫画家さん。佐藤オオキさんはnendoというデザイン会社を立ち上げたデザイナーさん。創作性について語りあう彼らをみて、私は「ああ、彼らのなかには風が吹いているのだな」と思った。その事実がたまらなくうらやましかった。
そして私の中に「風は吹いているのだろうか?」
私はここ1年くらいとてもぐずぐずしている。このままで良いのかずっと考えている。
でも思ったのだが、そう悩む時点で、おそらく風は吹いているのだ。全く風が吹いていなければ、悩む事はないはずだ。
私の中に、何かを創作し、発信したいという風が吹いている。どんなわずかな事でも良い。
だからこのブログを開設した。