ドラゴンボールの好きなところ
ドラゴンボールZ 復活の「F」公開に寄せて
たくさんの漫画を読んできたけれど、私にとってのナンバーワン漫画は「ドラゴンボール」なのだ。
私は面白い小説、漫画、映画は、「怖い」と思う。
思うのだが、怖い話は、とてつもなく上手に、さりげなく、「絶望」が描かれていると思うのだ。
そしてドラゴンボールも、サイヤ人編以降は、とてつもなく怖い漫画だと思う。実はサイヤ人編以降、ほとんど悟空は死んでいる。たとえばフリーザの戦闘力がわかったとき、人造人間が現れたとき、セル編でタイムマシンがもう一つ現れたとき、悟空はいつでも死んでたり死にかけたりしていて、いつだって悟空の仲間達はものすごく絶望的な状況なのだ。でも、「必ず悟空がなんとかしてくれる」という思いだけで、悟空の仲間達は希望を失わないし、私たちは読み進めることができる。
そんな絶望と、
第二の主人公であるブルマが、当初の夢をかなえて「王子様=ベジータ」と結婚するという、プロットだけで考えると少女漫画もびっくりの甘ったるいエンターテイメント性と、
悟空とベジータという最強の2人が命を落とすとき、2人とも最後の台詞は、子供に向け「母を頼む」と言う。
この非常にシンプルであたたかい家族のあり方、
そんなところに私はいつでも心動かされるのです。