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実写版 銀魂の感想とすごいところ

 

「実写版 銀魂」観てきたから感想書くよ~!

 

 

正直に言って、かなり心のハードルを下げて行ったので、反動で評価が高くなっている面もある。でも、とても面白かったよ~!

コメディパートは開始からずっと笑っていたし、面白いだけではなく登場人物たちは皆かっこよく、可愛かった。

「なんでもあり」で「サブカル的」、でも、どこか一本筋が通った、「銀魂」らしい実写映画化だなと感じたよ。

 

ではここからは、実写版銀魂の「アニメに寄せているところがすごい」「取捨選択がすごい」「キャストがすごい」という3つのすごいについて語りたいと思います!

 

原作とは若干、でも個人的には重要な変更箇所があって、そこに触れているので、ネタバレしたくない方は読まないほうがいいよ!

 

ではどうぞ!

 

 

1.アニメに寄せているところがすごい

後ろの席の人が見終わった後、開口一番「アニメ版紅桜編が観たくなった」とつぶやきました。その気持ちとてもわかります。そう、この実写版銀魂「アニメ版銀魂」にかなり寄せているのです。

そしてそれこそが実写版を違和感なく見ることができた、最大の要因ではないかと思いました。

 

俳優さんたちの演技や、台詞回しや、表情の作り方、そしてなんならカメラ割までもが、アニメ版を見て研究したのだろうなという感じだったし、冒頭のカウントダウンTVのところとか、松陽先生の声優さんがアニメ版と同じ山寺さんなのとか、おぉって思いましたよ。

そしてこれは他の人々の感想でも多く見られたのだけど、実写版銀魂の俳優さんたちは、ビジュアルもさることながら「声」がすごくいいんです!

メインキャストの小栗さんも岡田さんも堂本剛さんも「声」が素晴らしく、実写版にありがちな「なんか違う」感じがしなかったし、アニメ版銀魂の豪華な声優さん達にも引けをとらない美声っぷりでした。実はマンガの実写化において「声」ってとても大事なのだなと気づかされました。

 

2.取捨選択がすごい

予算面、展開面、キャラクター面における、取捨選択の潔さがすごいと思いました。

 

まずは予算面ですが、全編にわたって、「あぁ、予算足りなかったんだな…」って場面が多々ありまして、それによる取捨選択がとてもいさぎよくて良かったです。天人の着ぐるみ感とか、ブルーバック感とか…。

そして展開面。いさぎよく出会い編をすっとばし、キャラクターのバックグラウンドをナレーションで説明。まるでコナン映画のオープニングさながらの、「原作読んでないやつは来ないだろ!」と言わんばかりの潔さに、素直に感動しました。メインキャラクターの出会いを無理やり前半30分に詰め込んで尺が変な感じになるのって実写映画化あるあるだと思うのですが、これくらい潔くカットしちゃってもいいと思いましたね。まぁ銀魂という絶対原作読んでない人は観ないだろって映画だからこそできる技だとも思いますが…。

 

そしてキャラクター面。

マンガの実写映画化するにあたっては、長い原作を2時間の映画にまとめる以上、必ず主要キャラクターの中で「原作通りであることを諦めないといけないキャラクター」が出てくるものだと思います。そしてどのキャラクターを原作に忠実に再現するか、どのキャラクターを原作通りにすることを諦めて狂言回しにするかという取捨選択の部分で、私はその映画の良しあしとか、好き嫌いが変わってくると思っています。そして、私は個人的には実写版銀魂の取捨選択が好きでした。

 

実写版銀魂で、原作通りであることを諦めた一番主要なキャラクターは土方と近藤でしたね。土方って1,2を争う人気キャラクターなのですが、割と明確に話の筋から切られていました。ところがですね、沖田はとてもキャラクターの造形が忠実だったのです。そして土方と近藤はほぼメインの話に絡んでいないけれど、沖田は見せ場があった。おそらく沖田のほうを空気にして、もっと土方に見せ場を与えることもできたと思うんです。監督は土方と近藤を諦めて、沖田を選んだわけです。そこが私は好きでした。まぁぶっちゃけ自分が沖田が好きだからというのも大きな理由なのですが、私は以前も書いたけど、銀魂って「少年漫画」だと思っているので、銀八、神楽、沖田という「少年少女組」はきちんとスポットが当たるべきだと思っているのです。

 

haru-michi2.hatenablog.com

 

3.キャストがすごい

まず小栗旬さんは本当に素敵でした。原作へのリスペクトを感じました。

そして予想を超えてよかったのは女性陣です。正直原作でもあまりイメージがついていなかったのですが、ななおちゃんのまた子と長澤まさみさんのお妙さんを見て、なるほどまた子ってこういう子なのか、かわいいじゃん…と思ったり、お妙さんってこういう感じなのか、これは怖いわwという新たな発見がありました。

 

そして堂本剛さん。私の世代にとって、堂本剛さんとは圧倒的カリスマなのです。いくら時代が過ぎようとも、彼の輝きは永遠に記憶に残り続けているのです。

そしてそんなカリスマが、カリスマ高杉晋助をやるということは、かなりの事件なんです。

正直どんな感じになるのか想像もつかなかったのですが、正直、観終わった後もよくわかりませんでした。ただ、前述したとおり本当に「美声だな」と感じました。関西弁でゆっくりしゃべる姿しか最近見かけていなかったので、第一声の「ぎんとき」の声で、本当に「こんな声だったっけ?!」とびっくりしました。これはジブリ声優のオファー来てしまうやろ!

で、この「堂本高杉」は明らかにこの映画において特別扱いされておりまして、さきほど「原作通りであることを諦めないといけないキャラクター」について書いたけれど、この「堂本高杉」も少し原作の高杉とは違っていたように感じました。ラスト、最後までアニメに全力で寄せていたこの実写版銀魂ですが、アニメ屈指の名シーンである「銀時と桂の共闘」を敢えて捨てて、「銀時と高杉の戦い」が行われるんですよね。

このアニメにおいて一番人気があるシーンを敢えてやらないのが、潔くていいなと思いました。どうしてもアニメと比べてしまうだろうし、話の収まりもきれいだったように思います。

 

 

 

そんなこんなで実写版銀魂のすごいところを書いていきました。

いろいろ書きましたが、銀魂みたいなファンタジー色の強いマンガが実写化されて面白いなんて、本当に、単純に、すごいことだなと思います。

原作ファンで観るかためらっている方には、個人的にはぜひおすすめしたいです。

 

 

ハンターハンター再開を祝して、王位継承戦の勝者と今後の展開を予想する

ハンターハンター34巻発売&連載再開おめでとうございます!!

 

 

発売日から毎日読んでは、クロロとヒソカの戦いをどうにか理解しようと必死です!未だによくわからない!

 

さて、このブログ、非常に細々とアクセスいただいているのですが、多くの方にこの↓記事を読んでいただいております。

 

 

haru-michi2.hatenablog.com

haru-michi2.hatenablog.com

haru-michi2.hatenablog.com

 

 

未読の方は、ものすごく時間がある時に読んでいただけると嬉しいのですが、簡単にまとめると幽遊白書を書き直したのがハンターハンターなのではないか」というようなことが書いています。ハンターハンターとは、幽遊白書のキャラクターと展開を踏襲しているのではないかという考察です。

 

34巻発売と連載再開を祝して、この、「ハンターハンター幽遊白書のオマージュ説」を元に、簡単に今後の展開と王位継承戦で誰が勝つのかを予想したいと思います!

ただの妄想なので、間に受けないでください

 

 

まずそもそも、王位継承戦=魔界トーナメントなのか?:

 

個人的な見解としては、冨樫先生は「魔界トーナメント編」は、ハンターハンターにおいてきっちり書き直すと思っています。むしろ幽遊白書において消化不良で終わった「魔界トーナメント編をちゃんと書ききる事」こそがハンターハンターを書き始めた目的なのではないかなーなんて妄想しています。

 

なので、今後暗黒大陸編では、なんらかの理由で、全てのキャラクターが絡んだ大掛かりな「トーナメント戦」が開かれるのではないかと思われます。

 

で、今BW号内で始まっている「王位継承戦」が、もしかして「魔界トーナメント」なのか?

 

…と思ったのですが、おそらく、違うのではないかと。

 

「小さな島の中継基地」がゴンの住むくじら島であるという考察が有力なので、おそらくそこでゴンが合流。

 

魔界トーナメントは幽介の号令によって始まったので、ハンターハンターにおけるトーナメント戦も、ゴンの号令によって始まると思われます。

なので王位継承性は、その前哨戦かなぁ。

 

でも、「王子」達の中に、「黄泉」と「ムクロ」はいるのではないか?!と実はにらんでいます。

 

 

黄泉はオイトか?:

 

と、いうのも、クラピカが属している、オイトが黄泉っぽいんですよね。

理由はクラピカ(=蔵馬)が属しているということと、ワブル王子が修羅っぽい…というだけなんですけども。

ただ、因縁があるという点と、強さから、実はツェリード二ヒが黄泉なのか?とも考えられます。ちょっとまだわからない。

 

で、黄泉がオイトっぽいなーと思うと、「ムクロ」も王子の中にいるのではないか!?と考えてしまいますよね。

これは今後キルアが合流すれば明らかになるかと思われます。カミーラか、カチョウ&フウゲツかな?

 

 

そんなわけで、王位継承性はあくまで前哨戦なので、特に「勝者」は出ないのではないかと思います。

 

 

以前の記事でも少し書きましたが、

これからキルア、ゴンが船に合流。(恐らくキルアは王子の内の誰か(=ムクロ)の護衛として乗船?)

アルカ(=雪菜)のことをレオリオ(=桑原)が好きになる。

ドン•フリークス(=ライゼン)登場&死亡

ゴンの号令で、全てのキャラクターが絡んだ大掛かりな「トーナメント戦」が開かれる

 

…なんていう展開が待っているのではないかと予想します。

 

 

ハンターハンターにおけるトーナメントは相当豪華なことになりそうですね。今、BW号にはほぼ全てのメインキャラが乗っているわけですからね。

 

 

とかいって、あくまで妄想です。全く外れていたって、私、かまわないですw

とにかくハンターハンターの続きが読める事が嬉しいし、今後の展開が楽しみで楽しみで、楽しみなのです!冨樫先生、これからもお体にお気をつけて下さいませ、楽しみに楽しみにしています!!!

 

 

 

 以下はただのクラピカの美しさについてのつぶやきですw

 

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映画版「3月のライオン」の「後編」に感じた映画化の意義

映画版「3月のライオン」が個人的に素晴らしかったので、書き留めておきたい。

 

 

原作ファンで敬遠している方、前編を観て「後編はいいかな…」と思った方、ぜひ後編も観てほしい。前後編併せて、初めて「映画版 3月のライオン」だった。

 

 

もともと期待値のハードルが低い状態で見に行ったというのもあるけれど、個人的に漫画原作映画の中で1番好きかもしれない。「映画の素晴らしさ」とか「漫画を映画化することの意義」ってこういうことだよな、と感じる作品だった。

 

 ぜひたくさんの人に見てほしいなと思うので、こうしてブログに書いてみる。

 

「後編」のネタバレを含む感想なので、ネタバレを好まない方はぜひ観てから読んでほしい。1つ告げておきたいのだが、ほぼ原作のダイジェスト版だった前編と異なり、後編原作と大幅にストーリーの変更がある。…というか、発生する事件のパーツは同じなのだが、それに対する人々の動きが原作とは大きく異なるのだ。

 

前編の「桐山零」は漫画そのままの桐山零だったが、後編の「桐山零」は漫画版とはすこしずつずれていき、最終的には平行世界に生きる別の桐山零になった。でも、それはまぎれもなくもう1人の桐山零であり、なんなら私は映画版桐山零をもっと観てみたい。

 

私は前編を観てあまり心を動かさなかったのだが、後編の素晴らしさについて熱く語るブログ(ネタバレ有り)を読んで興味を持ち後編を見に行った。

 

そのような経緯もあるため、個人的にはある程度ネタバレしてから後編をみるのも有りかなとは思う。とにかく、原作ファンの方、そして、前編だけ観て興味を無くした方に、ぜひ「後編」も観てほしいのだ!

 

 

 

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東京BABYLON 考

思うところがあってCLAMPの「東京BABYLON」を15年振りくらいに読み返して、改めて感じたことがあるので書き留めておきたい。

 

CLAMPと言えば「カードキャプターさくら」や「ちょびっつ」、近年だと「xxxHOLiC」が代表作と称されるのだろうか。

でも、私が個人的に好きで、何度も読み返しているCLAMP作品は、断然「東京BABYLON」だ。

 

1990年(!)に連載が始まったこの作品、ギャグセンスや取り扱われるグッズ(ポケ別やダイヤルQ2)にこそ時代は感じるけど、現代の東京にあてはめても全く違和感のない問題が取り扱われている。むしろ26年たっても、この漫画で取り上げられている題材が解決していないことに驚かされる。東京って、全く進化していないんだな。

 

少々読みずらい部分もあるかもしれないけれど、全7巻で完結しているため、ぜひオススメしたい作品である。

 

メインのキャラクターは恐ろしく少なく、陰陽師一族の若き末裔の昴流とその双子の姉北都、そして動物病院を営むが実は暗殺集団「桜塚護」の当主星史郎の3人のみで作品は構成されている。

設定だけで中2病の香りがビシバシするが、読めば分かるがこれは全ての中2病患者達をなぎ倒す(そして、優しく現実に向かわせる)作品である。設定の前提として星史郎(男)が昴流(男)を「好き」という一見BLをにおわせる設定があるが、この「好き」という設定もくせ者なので、ぜひその設定にくじけずに読み進めてほしい。壮絶なラストには考えさせられるはずだ。

 

 

直木賞作家の辻村深月さんも「価値観を変えた作品」として紹介していた。

CLAMPという集団の狂気と美意識がぎっしりと詰まった作品だと思っている。

 

 

以下、壮絶なネタばれ注意

 

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君はドラゴンボール

私はこれから「ドラゴンボールSMAP」と「ワンピースと嵐」について書く。

始めに断っておくが、私は全部好きだ。全部好きで、応援している。

でも、私はこれからドラゴンボールSMAP」と「ワンピースと嵐」を少々比較しようとしている。そしてこれも始めに断っておくが、優劣をつける意味なんてないけれど、私はどちらかと言えば「ドラゴンボールSMAP」の方が好きだ。

この前提において、すでに不快感を覚える方は、ここでそっと回れ右してほしい。

 

 

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推理小説おすすめ6選

私の読書体験は宮部みゆきの「レベル7」からはじまる。

 

レベル7(セブン) (新潮文庫)

レベル7(セブン) (新潮文庫)

 

 おそらく読んだのは小学校の高学年の頃だっただろうか?それはもう、頭をがつんと殴られたような衝撃を今でも覚えている。その衝撃とは、「こんなに面白いものがこの世にあるのか」という衝撃だ。今まで読んできた本とも、漫画とも、ドラマとも、映画とも違う衝撃、そう、初めて読む「推理小説」の面白さに心を奪われたのである。

 

今でもたまに読み返すが、今になって読むと、正直なところ著者の他の作品に比べ、特段優れているとは言えない。でも、「これが本を読むという事なのか」と誤解させてくれ、今日にいたるまで推理小説を愛するきっかけとなった大切な1冊である。

 

その後小学生らしく、はやみねかおる氏の夢水清志郎シリーズ

 

そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノ-ト (講談社青い鳥文庫)

そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノ-ト (講談社青い鳥文庫)

 

 

中学生になったら恩田陸氏(推理小説作家だと思っている。)

 

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

 

 

高校生になったら若竹七海

 

ヴィラ・マグノリアの殺人 (光文社文庫)

ヴィラ・マグノリアの殺人 (光文社文庫)

 

 

大学生になったら北村薫氏の「わたし」シリーズ

 

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

 

 

など、もちろん男性も楽しめるだろうが、女性にとって親しみやすい推理小説作品を楽しんできた。

 

中でも特に思い入れがあるのが西澤保彦

 

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

 

 

先日衝動的に再読したくなり、アマゾンで大量購入。至福の読書体験でした。

 

特に匠千暁シリーズは、何回読んだかわからぬほど。「いつか実写化されたら」とふとしたときにキャストを考えています。

 

 

推理小説ってなんなのだろう。と思う。

 

きっと読まずに一生を終えていく人も多いのだろうな。

私にとって「本」とは「推理小説」のことなのです。

 

「謎」って、日常の中にはあまりありませんよね?

「本」だからこそ可能なトリック、舞台設定で、非日常の「謎」の世界に導いてくれる。そんな推理小説が読みたいのだ。

 

 

 推理小説おすすめ6選でした

 

銀魂によせて

私がジャンプを読むのを辞めたのは、確か封神演義が連載終了したときだった。

 

その後のジャンプ連載漫画は、有名どころのみBOOK OFFで立ち読みし、気に入れば書店で購入というスタンスでいた。そんな私が非常に久しぶりに、有名どころではなく、立ち読みすることもなく、コミックスの第1巻を買った漫画、それが銀魂だった。

 

ちなみに当時銀魂はジャンプ打ち切りレースの本名馬であり、第1巻の初版は少なめに刷ったところ、想定外に売れたため入手困難になったというエピソードは有名だ。

 

なぜ私が銀魂を買おうと思ったのかというと、私は非常に安易な史実幕末ファンであり、特に「新撰組」に関する小説、漫画は一応チェックするようにしているからである。

この銀魂に登場する、「真撰組」の隊服は、有名な土方歳三の洋装写真をもとにデザインされていると考えられる。洋装、短髪ということで銀魂内の土方十四郎のビジュアルは、かなり史実の土方歳三のイメージと近い。この、史実においては土方歳三しか着ることが無かった「洋装」を、近藤が、沖田が着て、そして彼らもまた短髪にしていることに、私はなんだかロマンを感じたのである。

 

銀魂の1巻を読んだ感想は、非常に失礼ながら、よくできた同人誌みたいだな。というものだった。それはクオリティー的な意味ではなく、歴史上の人物達の、非常に良く出来た萌え設定による、幕末パロディ2次創作を読んでいる気持ちになったのだ。登場する歴史上の登場人物達がみな、より「萌える」設定を付随して登場し、ゆるやかに歴史上の出来事とリンクして物語が進行している。そして特にフューチャーされているのが、高杉、桂、吉田松陰新撰組という、幕末の有名どころばかり。

 

正直なところ、私のような薄い幕末ファンであれば、誰でも銀魂には萌えることができるだろう。でも、決してそれだけでは魅力が銀魂にはあると思う。それが何なのか私にはうまく説明できないのだが、このたび久々に銀魂56-59巻を購入し、なんとなく感じるものがあった。空知先生は、幕末パロディ2次創作において、ものすごく難しいことをやろうとしているのではないか?と思ったのである。

 

 

まず先にも説明したが、この銀魂の世界では、ギャグパートとシリアスパートをいったりきたりしながら、ゆるやかに史実に呼応した事件がおこり、時間が流れていく。

そして高杉、桂、吉田松陰新撰組という、幕末の有名どころをフューチャーした、幕末パロディ2次創作である以上、この漫画の行き着く先は、やはり「明治維新」であると考えられるのだ。するとオリジナルパートである万屋ファミリーをのぞき、この漫画で生き残れる歴史上の人物は「桂」だけという恐ろしい前提が、この銀魂の世界にはあるのだ。

 

 

これ、人情ギャグ漫画だから、空知先生そこまで考えていないから!

 

 

と、思う方もいらっしゃるでしょうが、私は空知先生とはかなりきっちり史実とのかねあいを考えている方だと思う。

 

 

例えばそれを逆の意味で裏付けしたのは、「ミツバ」の存在だ。ミツバは沖田総悟の姉として何の伏線もなく突然登場し、病で死んでいった。だが史実では病で倒れるのは沖田自身であり、姉のみつは病で倒れない。ミツバは、史実では夭折する沖田の身代わりになり、銀魂の世界において死んでいったと考えられるのだ。

このエピソードから、空知先生は、史実で死ぬ人が死なないためには、身代わりが必要だと考えているくらい、なるべく史実に誠実であるべきだと考えていることが読み取れる。とすると、この平和な銀魂ワールドが、一気に不吉な世界に思えてくるのだ。

 

そんなわけで私は割と「この人達、みんな死んじゃうんだ…」と薄ら寒い気持ちで銀魂を読んでいた。これは「あまちゃん」の世界でいつか地震がおこると知っていながら見ていた気持ちと似ている。

 

 

で、このたび銀魂では、56巻から将軍暗殺編が開始した。全パートが終わったらまとめて読もうと思っていたのだけど、どーにも気になってしまって買ってしまった。

 

そして読みながら「ついに銀魂では、歴史の分岐が始まったようである」という事実に、燃えたぎってしまった。

封神演義でいうと、ついに歴史の道しるべから外れた世界になってきたのである。

 

史実で考えると現在は徳川慶喜就任の1866年の12月。1867年の4月には高杉は結核で死に、同年10月大政奉還、11月坂本龍馬暗殺、翌年戊辰戦争開始、近藤が斬首、沖田が結核で死に、1868年には土方が戊辰戦争で死亡。と、怒濤の大虐殺タイムがそろそろはじまるのである。

 

 

とにかくそろそろ史実から乖離させないと、高杉が血を吐いて死んでしまう!という状況で、歴史の分岐が明確に始まったと考えるシーンは、「近藤が、攘夷志士を手を組む事を決意する」シーンだ。つまり59巻でヅラが近藤に共闘を呼びかけるシーン。そのシーンは、1ページにアップの人物で2コマという、銀魂にしては非常に珍しい、シンプルな構成だ。これは大きく史実を逸脱したシーンであり、且つ、このシーンがものすごく重要なシーンであると空知先生自身が考えているからではないだろうか?

 

そして高杉と銀時の戦いの後の朧の「まだ天に抗うか」「八咫烏が告げし天啓」という言葉は、この世界には天=史実があり、そこからの乖離を暗示している 。また、この将軍暗殺編において、歴史上のキャラクターの命を救い、発破をかけるのはオリジナルキャラクターの神威や神楽、そして銀時である。

 

また、今回のエピソードにおいて沖田が大きな影響力を持っているのも印象的だ。

実は先に述べたミツバのエピソードにおいて、私はどうして空知先生が、わざわざ突然ミツバを殺してまで沖田を生かすことにしたのか疑問だった。だが今回のエピソードを読み、ここで近藤と土方を救うために沖田は生かされていたのだな、と感じた。近藤は処刑され、沖田は病に倒れ、土方は一人戦い続ける、これが史実だ。沖田を生かす事で、本来辿るはずだった運命から真選組を、土方を、近藤を救おうとしているのではないだろうか?す、救ってくれるよね?まあとにかく「沖田」は「病で死ぬ」という非常に有名な史実に沿わないことにより、真選組新撰組と同じ運命はたどらないことが暗示されていたのではないだろうか?

 

あとは個人的には、この将軍暗殺編では20代以上の大人達、つまり土方、近藤、銀時がしめっぽく史実に負けそうになっているのに対し、沖田や神楽、神威といった少年少女達が運命に立ち向かっているのは、非常に少年ジャンプっぽくて良いと思いました。笑

 

 

 

ともあれ、このような歴史パロディ物において、歴史の分岐をさせるのって、ものすごく覚悟がいることだと思う。そこには必然性が必要だし、分岐させるからには、ある程度の救済が無ければならない。空知先生は、この銀魂における明治維新をどのように成し遂げようと考えているのだろうか?明治維新の前の大きな歴史の分岐点が「大政奉還」、銀魂の世界においては、天導衆を司る「天子様」が権力をすべて掌握するわけだ。なんとなくこれが銀魂のクライマックスになるような気がする。空知先生は、この幕末パロディ2次創作において、これからものすごく難しいことをやろうとしているのではないでしょうか?

 

 

 

***

と、ここから下は普通の感想ですが、高杉と銀時の戦いのシーンが本当にすばらしく、すごい漫画になったものだと思いました。高杉、銀時、桂、松陽の因縁を空知先生はおそらく物語の初盤から温めていたのでしょうが、そう思って読み返すと何もかもが切ない。ヅラと銀時も、ずっとこの過去を背負っていたかと思うと切ないじゃないか!

2巻で、ヅラが新八と神楽を背負う銀時に「今度は離すなよ」(すみません、これうろ覚えです)というニュアンスの言葉をかけるシーンがあるんですが、これってつまり「かつては銀時が自ら仲間との繋がりを切った」「それを桂も受け入れている」ということで、その事実に少々疑問を感じていました。銀時が自発的にそんなことをするだろうか?と思ったし、それを桂は受け入れるのだろうか?と思ったのです。でも、この因縁があるなら全てが納得で、紅桜編も全ての台詞が切なく聞こえる。

 

そして銀時、高杉、桂、松陽と、真選組の3人が対比している構成も素晴らしい。高杉、銀時の因縁を58巻まで全く出さなかったのは、この真選組のエピソードと対比させるためなのだと思うとなんだか胸熱である。銀時は土方が、いつか自分と同じ道をたどるかもしれないと察し、かまい、気にしていたのだろうと思うと、思うと!!という感じである。